フランス生まれの高級チョコレート「ボナ」とは?

ここからは、チョコレートとしての「ボナ(BONNAT)」に焦点を当てて詳しく見ていきましょう。

130年以上続く家族経営のショコラトリー

BONNATは1884年、フランス・ヴォワロンにてフェリックス・ボナが創業した老舗ショコラトリーです。
アルプス山脈の麓の小さな町で生まれたこのブランドは、現在もボナ家の家族経営で続いています。

現在は創業者の曾孫にあたる ステファン・ボナ氏が工房を率い、伝統と革新をあわせ持つショコラ作りをリードしています。

創業当初は砂糖菓子やリキュールなども製造していましたが、早い段階でチョコレート製造に注力し、今では世界的ショコラトリーとして知られる存在です。

ビーントゥバー製法って何?

「ビーントゥバー」とは、カカオ豆の選定から板チョコレートになるまでの全工程を自社で一貫して行う製法のこと。
BONNATはこの概念が一般化するよりはるか昔から、同様のスタイルを実践してきた先駆的なメゾンです。

☑ カカオ豆の選定
☑ 焙煎
☑ 粉砕
☑ コンチング
☑ 形成(タブレット成形)

これらすべてをヴォワロンの自社アトリエで行うことで、原料の個性を最大限引き出し、他にはない純粋な味わいを生み出しています。

シングルオリジンの先駆け

今でこそ多くのブランドが手掛ける「シングルオリジン(単一産地)」チョコレート。
BONNATはその “最も早い時期から手掛けてきた先駆者” として世界的に高く評価されています。

創業100周年記念には、複数の産地別カカオを用いた本格的なシングルオリジン・コレクションを発表し、高級チョコレート市場に大きな影響を与えました。


ボナのチョコレートが愛される理由

なぜBONNATのチョコレートは、世界中のチョコレート愛好家から支持されるのでしょうか?

1. 原材料がとにかくシンプル
BONNATのダークチョコレートは、
カカオ豆・カカオバター・砂糖のみ。

レシチンや香料などの添加物は一切使用しません。
余計な要素を削ぎ落としたからこそ、カカオ本来の香りと奥深い味わいがダイレクトに伝わります。

2. ショコラティエ自らが産地を訪問
ステファン・ボナ氏は、毎年数か月にわたって世界各地のカカオ農園を訪れます。
ペルー、ベネズエラ、ブラジル、メキシコなど、生産者と直接会い、品質を自ら確かめる姿勢がこだわりの源です。

3. 旧式の機械を使い続ける伝統
最新設備ではなく、代々受け継がれてきた機械をあえて使い続けることで、BONNATならではの独特のテクスチャーや香りが生まれます。
伝統と手仕事への尊敬が息づいたブランドなのです。


産地で変わる味わいを楽しもう♪

BONNAT最大の魅力は、産地によってまったく異なる風味を楽しめること。
まるで“食べる地図”のように、チョコレートで世界を旅できます。

南米産カカオの特徴

  • ベネズエラ産
    柑橘系の明るい酸味と、深みのある複雑なアロマが特徴。
    特にチュアオ地区のカカオは希少性が高く、高級チョコレートとして人気。

  • エクアドル産
    花や蜂蜜のような甘い香り。
    苦味が控えめで、初心者にもおすすめの優しい味わい。

  • ペルー産
    果実味と酸味のバランスが良く、爽やかで上質なフルーティーさ。

アフリカ産カカオの特徴

  • マダガスカル産
    赤い果実のような酸味が明るく華やか。
    特に女性人気が高い産地。

  • コートジボワール産
    クセが少なく、親しみやすいチョコレートらしい味わい。

アジア産カカオの特徴

  • セイロン産(スリランカ)
    紅茶のような香りやスパイス感が漂い、奥深い味わいが楽しめる。

複数の産地を食べ比べると、BONNATの真髄がより深く理解できます♪


カカオ含有量75%ってどういうこと?

BONNATの代表的なシングルオリジンの多くは、カカオ分75%で統一されています。

75%は甘さ控えめで、カカオの個性をしっかり感じられるバランスの良い濃度。
砂糖の割合が少ないため、産地による風味の違いがより明確に表れます。

初めて食べる方へのアドバイス

最初は「苦い」と感じるかもしれません。
でも、ゆっくり口の中で溶かすと…

  • フルーティー
  • フローラル
  • スパイシー
  • スモーキー

など、さまざまなアロマが次々と現れます。

少量をゆっくり味わうと、高カカオチョコレートならではの楽しみが広がります。


もっと美味しく味わう方法とペアリング

せっかくの高級チョコレート。
最高の状態で楽しむためのポイントを紹介します。

保存方法のポイント

  • 理想的な保存温度:15〜18℃
  • 湿度:50〜60%
  • 直射日光・高温・急な温度変化はNG
  • 夏場は密閉容器に入れて冷蔵保存し、食べる前に常温に戻す

白くなる「ブルーム現象」は品質劣化ではなく、問題なく食べられます。

正しい食べ方

高級チョコは噛まずに、舌の上でゆっくり溶かすのが正解。

一口(3〜5g)を2〜3分かけて味わうと、温度変化によってアロマが豊かに広がり、魅力が最大限引き出されます♪

相性抜群のペアリング

  • 赤ワイン(カベルネ、メルロー)
    深みのある味わいが、75%のカカオと好相性。

  • コーヒー・紅茶
    深煎りコーヒーやアールグレイと合わせると、香りの広がりが倍増。

  • チーズ・ナッツ
    ハードチーズの塩気や、ローストナッツの香ばしさとよく合います。


ギフトにもおすすめ!選び方のコツ

BONNATは、特別な人への贈り物としても最適。
シンプルで洗練されたパッケージは、大人の高級感を感じさせます。

贈り物としての選び方

  • 初心者向け:エクアドルマダガスカル
  • 濃厚好き:ベネズエラ
  • 個性派:セイロン

1枚100gの重厚感のある板チョコを2〜3枚組み合わせれば、贅沢なギフトセットになります。


よくある質問

Q. 「ボナ」と「BONNAT」は同じ?
はい。
同じです。
「BONNAT」が正式名称で、日本では「ボナ」と表記されることが多いです。

Q. 苦い?食べやすい?
75%なので甘さは控えめですが、産地によって酸味・香り・苦みが違うため、思ったより食べやすいものも多いです。
ゆっくり溶かすと複雑な香りが広がります。

Q. 開封後はどれくらい保つ?
涼しく湿度の低い場所で密閉保存すれば、数週間は美味しく楽しめます。


まとめ|本物のカカオの味わいを求めるあなたへ

BONNATは、1884年の創業以来130年以上にわたって家族経営で続く、フランスを代表する老舗ショコラトリーです。
カカオ豆の選定から製造までの一貫管理、添加物を使わないシンプルな原料、産地の個性を引き出す伝統製法──。

どれを取っても「カカオの本質」を追求する姿勢が貫かれています。

産地の違いを食べ比べるのは、まさに“味わう旅”。

深い香りと奥行きのある味わいを、ぜひ一度体験してみてください♪