ショコラトリーでは、素材の出発点を非常に重視しています。「蜜蜂の蜂蜜（Cadres Noirs Percherons）やロット＝エ＝ガロンヌ産のヘーゼルナッツ、カカオカバー（カバーショコラ）にはニコラ・ベルジェ（Nicolas Berger）が供給するもの、さらに一部にヴァローナ（Valrhona）やA. Morin（A. Morin）のカバーショコラも採用しています。 また、「大粒の高品質素材および果実（生）を用い、それらを自分の味覚で加工・変換し、レシピに最も適した形で表現します」と明言しており、素材からのレシピ作成という姿勢が見て取れます。 このように、高品質素材を徹底して選び、それをショコラや菓子として丁寧に加工していくことで、「他にはない香り・食感・余韻」を実現しています。

年間を通して季節とその産物に沿ったショコラとコンフィズリーが提供されており、季節素材への対応とレシピの更新がブランドアイデンティティになっています。 さらに「春にはフルーツ、秋にはリーフ、冬にはナッツやスパイス」など、旬の素材を活かしたレシピの展開が紹介されており、果実から自社で加工したコンセントレ／インフュージョンを用いてレシピに深みが与えられています。

ショップの販売スペースから製造工程が見えるアトリエスタイル。ガラス越しにボンボン・ショコラやコンフィズリーの製造プロセスが覗けます。 また、店舗デザインでは、パリ10区の旧タペストリー工房を改装し、デザイン事務所（Mur.Mur Architectes）による「伝統×モダン」な空間が実現されており、製造現場の見える化＋洗練された空間演出が魅力を強めています。

ヤスシササキでは、チョコレート作りを通じて環境や社会にも貢献する取り組みを行っています。 使用するカカオ豆はフェアトレード認証を受けたもので、持続可能な農業を支える一環としてカカオ農家の生活環境を支えると同時に、環境保全への取り組みを強化しています。 また、小ロット生産を行いフードロスの削減を図っています。 おいしさにこだわるだけでなく、チョコレート作りを通じて未来への持続可能な社会を支えるという強い思いが込められています。