ローラン ジェルボーのチョコレートは、ただ既製のクーベルチュールを使うのではなく、それぞれの素材に最もふさわしいチョコレートを独自に開発しています。フルーツの酸味やナッツの香ばしさ、スパイスの余韻など、すべての素材が持つ個性を引き立てるために、カカオの種類・焙煎温度・コンチング時間までも緻密に調整。豊かな芳香を損なわないよう、全ての工程で豆を少しずつ低温処理し、繊細なアロマを最大限に生かしています。

たとえば、人気の「マンディアン」や「メダリオン」に使用されているのは、ニカラグア北部のごく限られた地域でしか採れない希少なニカリゾカカオ。このカカオは、まろやかな苦味と心地よい果実感、そして深みのある余韻が特徴で、世界中のカカオ愛好家を魅了しています。その原料を、デンマークの著名なビーントゥーバーショコラティエ、ミッケル・フリイスホルム氏が独自に調合。カカオの豊かな表情をそのまま感じられる、まさに“通好み”のチョコレートです。

単なる甘味ではなく、「味の調和と奥行き」を追求して生み出されています。ドライフルーツ、ナッツ、スパイスを巧みに組み合わせることで、甘味・塩味・酸味・苦味・うま味という五つの味覚が繊細に重なり合い、ひと粒の中で驚くほど豊かな変化を生み出します。ドライフルーツが持つ自然な甘み、カカオの深いコク、そしてチョコレートの風味を引き立てるスパイスの香りが、それぞれを尊重しながら一体となることで、まさに“ナチュラルで完成された味わい”が生まれるのです。

東洋の味覚に造詣が深いローラン ジェルボーは、ヨーロッパではほとんど見られない素材にも積極的に挑戦しています。たとえば、そばの実や生姜、胡麻といった日本やアジアの食文化に根づいた素材を取り入れたプラリネは、彼の創造性と感性の象徴。香ばしさや爽やかな辛み、芳ばしい香りなどがチョコレートと重なり、これまでにない複雑で深い余韻を生み出しています。

それはまるで、東洋の繊細さとベルギー伝統の技術が出会い、ひとつのアートとして昇華したかのよう。口にした瞬間に広がる豊かな香りと調和の妙を、ぜひご自身の感覚で体験してください。ローラン ジェルボーが提案するのは、“新しいチョコレートの世界”そのものです。