【タイプ別】ブルーム現象の種類と特徴

実は、ブルーム現象には主に2つのタイプがあります!
ファットブルーム。
油脂が原因で白くなる
これまで主に説明してきたのが、このファットブルームです。
ココアバターなどの油脂成分が原因で起こります。
温度変化によって溶けたココアバターが表面に移動し、再結晶化することで白くなるのです。
見た目は白っぽく曇ったようになり、触るとやや油っぽい感触があります。
シュガーブルーム。
砂糖が原因で白くなる
もう一つのタイプが、シュガーブルームです。
これは湿気が原因で起こります!チョコレート表面に水分がつくと、砂糖が溶け出します。
その後、水分が蒸発すると砂糖の結晶が表面に残り、白く見えるのです。
ファットブルームよりも表面がザラザラしていて、触ると粉っぽい感触が強いのが特徴です。
どちらのブルームか見分ける簡単な方法
2つのブルームを見分けるには、触った感触に注目してください。
簡単な見分け方
- 指で軽く擦ってみる
- 油っぽさを感じる → ファットブルーム
- サラサラと粉っぽいだけ → シュガーブルーム
また、保管環境からも推測できます。
高温多湿の環境ならシュガーブルーム、温度変化が激しい環境ならファットブルームが起きやすくなります。
ブルーム現象を防ぐ5つの保管方法

大切なチョコレートをブルーム現象から守るための保管方法をご紹介します♪
①理想の保管温度は15〜18℃の冷暗所
チョコレートにとって最適な保管温度は、15〜18℃とされています。
この温度帯であれば、ココアバターが溶けることなく安定した状態を保てます!室温が比較的安定している冬場なら、リビングの涼しい場所でも問題ありません。
ただし、暖房器具の近くは避けてください。
局所的に温度が上がる場所は、ブルーム現象の原因になります。
②直射日光・高温多湿を避ける
日光が当たる窓際や、湿気の多い場所は厳禁です!直射日光は温度を急激に上げるだけでなく、紫外線によってチョコレートの風味も損なわれます。
避けるべき保管場所
・窓際の明るい場所
・キッチンのシンク周辺
・浴室近くの湿気が多い場所
・冷蔵庫の上(熱がこもりやすい)
③冷蔵庫保管する場合は密閉容器に入れる
夏場など、どうしても冷蔵庫で保管したい場合もあるでしょう。
その際は必ず密閉容器に入れてください!ジップロックなどの密閉袋でも構いません。
これにより、冷蔵庫内の湿気や他の食品の臭い移りを防げます。
チョコレートは臭いを吸収しやすいため、密閉は必須です。
④冷蔵庫から出すときは常温に戻してから開封
冷蔵保管したチョコレートを食べるときは、すぐに包装を開けないでください。
冷たいチョコレートを常温にさらすと、表面に結露が発生します。
この水分がシュガーブルームの原因になるのです!
正しい取り出し方
- 冷蔵庫からチョコレートを出す
- 包装は開けずに30分〜1時間ほど常温に置く
- チョコレートが室温に近づいてから開封する
これだけで結露を防げます♪
⑤夏場は保冷剤を活用した持ち運びを
外出先でチョコレートを購入した場合や、誰かに贈る場合も注意が必要です。
夏場の持ち歩きは、保冷バッグと保冷剤を活用しましょう。
特に、車内に放置するのは絶対に避けてください!真夏の車内温度は50℃を超えることもあります...このような高温にさらされると、チョコレートは完全に溶けてしまいます。
白くなったチョコレートを美味しく復活させる方法

ブルームしてしまったチョコレートも、工夫次第で美味しく楽しめます!
湯煎で溶かして再結晶化させる(テンパリング)
お菓子作りの経験がある方なら、テンパリングという方法があります。
チョコレートを湯煎で溶かし、温度管理をしながら再結晶化させることで、元の光沢を取り戻せます。
ただし、正確な温度管理が必要なため、慣れていない方には少し難しいかもしれません...成功すれば、購入時のような艶やかなチョコレートに戻せます♪
お菓子作りの材料として活用する
最も簡単な活用法は、お菓子作りに使うことです!
ブルームしたチョコの活用アイデア
・ブラウニー
・チョコチップクッキー
・チョコレートケーキ
・ガトーショコラ
・チョコマフィン
加熱して他の材料と混ぜてしまうため、ブルームの影響はなくなります。
むしろ、賞味期限が近づいたチョコレートの有効活用法として最適でしょう。
ホットチョコレートやチョコレートソースにアレンジ
飲み物やソースにするのも良い方法です。
ホットミルクに溶かしてホットチョコレートを作れば、寒い日のご褒美になります♪温めることで風味も引き出されるため、ブルームしたチョコレートでも美味しく楽しめます。
また、刻んでアイスクリームのトッピングソースにするのもおすすめです!温かいソースとして使えば、口溶けの悪さも気になりません。
そのまま食べるなら温めて風味を引き出す
どうしてもそのまま食べたい場合は、少し温めてみてください。
手のひらで温めるだけでも、風味が戻ってきます。
ココアの香り成分は温度が上がると揮発しやすくなるためです。
ただし、溶けすぎないように注意しましょう。
ほんのり温かい程度が、最も美味しく感じられます。
【シーン別】ブルーム現象が起きやすいタイミング

実生活の中で、特にブルームが起きやすいシーンを知っておきましょう!
バレンタイン・ホワイトデーの贈り物
2月や3月は気温が不安定な時期です。
日中は暖かくても、夜は冷え込むという日が多くあります。
この寒暖差が、ブルームの原因になります。
特に、手作りチョコレートを贈る場合は、渡すまでの保管方法に注意が必要です!
イベント時の注意ポイント
□ 前日ではなく当日に作る
□ 保冷バッグに入れて持ち運ぶ
□ 屋外での長時間の持ち歩きを避ける
□ 渡すまで涼しい場所で保管する
夏場のお土産チョコレート
旅行先で購入したチョコレートが、帰宅したら白くなっていた...という経験をした方も多いでしょう。
夏場の移動中は、どうしても高温にさらされます。
電車や飛行機内は冷房が効いていても、一時的に暑い場所を通ることがあります。
お土産を買うなら、最終日や帰る直前に購入するのがおすすめです♪
買い置きしていた高級チョコレート
「特別な日に食べよう」と保管していた高級チョコレートが、いざ開けてみたら白くなっていた、というケースも少なくありません。
高級チョコレートほどココアバター含有量が多いため、実はブルームしやすいのです!美味しく食べたいなら、購入後早めに楽しむことをおすすめします。
海外旅行で購入したチョコレート
海外のチョコレートは、日本とは異なる気候で作られています。
そのため、日本に持ち帰る過程での温度変化に弱い場合があります。
特に、熱帯地域から日本に持ち帰る場合は注意が必要です!機内への持ち込みができるなら、手荷物として管理した方が安心でしょう。
ブルーム現象が起きにくいチョコレートの選び方

購入時に、ブルームしにくいチョコレートを選ぶこともできます!
個包装タイプは温度変化に強い
一粒ずつ個包装されているチョコレートは、比較的ブルームに強いです。
個包装により、外気との接触が最小限に抑えられます。
また、食べる分だけ開封できるため、残りのチョコレートは保護された状態を保てます♪箱入りのチョコレートを選ぶなら、個包装タイプがおすすめです!
ホワイトチョコレートは比較的ブルームしにくい
ホワイトチョコレートは、ダークチョコレートに比べてブルーム現象が起きにくい傾向があります。
これは、カカオマスを含まないためです。
ココアバターの含有量も調整されていることが多く、温度変化への耐性があります。
夏場に購入するなら、ホワイトチョコレートを選ぶのも一つの方法です。
コーティングチョコレートの耐熱性
ナッツやビスケットをチョコレートでコーティングした商品は、比較的安定しています。
コーティング系チョコの特徴
- 溶けにくいように調整されている
- 植物性油脂が配合されていることが多い
- 温度変化への耐性が高い
ただし、本格的なチョコレートの風味とは異なる点には注意してください。
保存料・乳化剤入りと無添加の違い
添加物の有無も、ブルームのしやすさに影響します。
乳化剤が入っているチョコレートは、油脂と水分が分離しにくく、ブルームが起きにくい傾向があります!一方、無添加の高品質チョコレートは、ブルームしやすいものの、風味は格段に良いでしょう。
用途に応じて選ぶことが大切です。
【Q&A】ブルーム現象のよくある質問

最後に、よく寄せられる質問にお答えします!
Q1冷蔵庫で保管したチョコが白くなるのはなぜ?
冷蔵庫から出し入れする際の温度変化が主な原因です。
冷たいチョコレートを常温に出すと、表面に結露が発生します。
この水分がシュガーブルームを引き起こします!また、冷蔵庫内の温度変動も影響します。
ドアの開閉が多いと、庫内温度が安定しません。
Q2高級チョコレートほどブルームしやすいって本当?
はい、これは事実です!
高級チョコがブルームしやすい理由
- ココアバターの含有量が多い
- 添加物が少ない
- 純粋なココアバターは温度変化に敏感
逆に、安価なチョコレートは植物性油脂や乳化剤が配合されていることが多く、ブルームしにくくなっています。
Q3生チョコやトリュフもブルーム現象は起きる?
起きる可能性はありますが、通常のチョコレートほど目立ちません。
生チョコやトリュフは生クリームが含まれているため、賞味期限が短く設定されています。
ブルームが発生する前に食べきることが前提となっているのです!ただし、長期保管した場合はブルームだけでなく、品質劣化のリスクもあります。
Q4ブルーム現象を起こしたチョコで料理はできる?
もちろん可能です♪むしろ、料理やお菓子作りに使うのは最適な活用法と言えます。
加熱してしまえば、ブルームの影響は全くなくなります。
ガナッシュやチョコレートムース、ブラウニーなど、さまざまな料理に使えるでしょう。
Q5市販のチョコと手作りチョコ、どちらがなりやすい?
手作りチョコレートの方がブルームしやすい傾向があります。
市販品が安定している理由
- 温度管理や湿度管理が徹底された工場で製造
- 品質保持のための添加物が使用されている
- テンパリングが完璧に行われている
一方、手作りチョコレートは無添加であることが多く、テンパリングが不十分な場合もあります。
そのため、ブルームが起きやすくなります。
まとめ。
正しい保管でチョコレートを最後まで美味しく

ブルーム現象は、チョコレートの品質劣化ではなく、物理的な状態変化です!白くなったチョコレートも安全に食べられますが、風味と食感は落ちてしまいます。
温度変化を避け、適切な環境で保管することが何より大切です。
もしブルームが起きてしまっても、お菓子作りや飲み物への活用など、美味しく楽しむ方法はたくさんあります♪大切に選んだチョコレートだからこそ、正しい知識を持って、最後まで美味しく味わってください!