オランジェットとは?
オランジェットとは、オレンジの皮を砂糖でじっくり煮詰めて作ったコンフィに、チョコレートをコーティングしたフランスの伝統菓子です。
フランス語で「Orangette」と表記され、オレンジを意味する「Orange」の女性形の愛称として名付けられました。
最大の特徴は、柑橘の爽やかさとほろ苦さ、そしてチョコレートの甘みという相反する味わいが見事に調和している点にあります。
砂糖漬けにしたオレンジピールは透明感のある美しい仕上がりとなり、見た目にも高級感があります。
甘さと苦味のバランスが絶妙で、一般的なチョコレート菓子とは一線を画す大人の味わいが魅力なんです♪
オランジェットの味わいと魅力
オランジェットの味わいは、まずチョコレートの濃厚な甘みから始まります。
口に含むと、オレンジピールの爽やかな香りが広がり、続いてほろ苦さが現れるのが特徴です。
砂糖漬けにしたオレンジピールは、しっとりとした食感と程よい弾力を持ちます。
チョコレートのなめらかさと、ピールの歯ごたえのコントラストが楽しめるでしょう。
ビターチョコレートを使えば大人の味わいに、ミルクチョコレートを使えばまろやかで優しい風味になります。
自分の好みに合わせて調整できる点も、手作りならではの魅力です!
フランス菓子としての背景
オランジェットはフランス南部のプロヴァンス地方で生まれたとされています。
地中海性気候で育つオレンジを活用した保存食として、砂糖漬けの技術が発展しました。
19世紀にチョコレートと組み合わせることで、現在の形になったと言われています。
フランスでは高級菓子店の定番商品として親しまれており、贈り物としても人気があります。
日本でもバレンタインやホワイトデーのギフトとして注目を集めており、洗練された大人の味わいが支持されています。
オランジェット作りに必要な材料
基本の材料選び
オランジェット作りで最も重要な材料がオレンジピールです。
使用するオレンジは、無農薬や減農薬のものを選ぶことをおすすめします。
国産のネーブルオレンジやバレンシアオレンジは、皮が厚めで苦味が控えめなため初心者に向いています。
外国産のオレンジは香りが強く、よりフランス的な本格的な味わいになるでしょう。
市販のオレンジピールを使う場合は、砂糖漬けの状態で販売されているものを選びます。
柔らかさと透明感があるものが、コーティングに適しています♪
チョコレートの選び方で味が変わる!
チョコレートはカカオ含有量によって、オランジェットの味わいが大きく変わります。
☑ カカオ分60%以上のビターチョコレート...オレンジの甘みを引き立て、大人の味わいに
☑ ミルクチョコレート...まろやかで食べやすい仕上がり
☑ ホワイトチョコレート...見た目も美しく、優しい甘さが特徴
製菓用のクーベルチュールチョコレートを使うと、テンパリングがしやすく美しいツヤが出ます。
板チョコでも十分美味しく作れますので、まずは手軽な材料から始めてみてください。
砂糖の種類で仕上がりが変わる
オレンジピールを煮る際の砂糖選びも、仕上がりに影響します。
グラニュー糖は透明感が高く、上品な甘さに仕上がるため最も一般的です。
上白糖を使うと、少ししっとりとした食感になります。
きび砂糖や三温糖を使えば、コクのある甘みと風味が加わるでしょう。
砂糖の量を減らすと苦味が強くなり、増やすと甘みが際立ちます。
自分の好みに合わせて調整することで、オリジナルの味わいを作り出せます。
【基本レシピ】初心者でも失敗しないオランジェットの作り方
用意するもの
材料(約20本分)
- オレンジ...2個
- グラニュー糖...200g
- 水...200ml
- チョコレート...150g
道具
- 鍋
- クッキングシート
- バット
- 包丁
- まな板
- ボウル
- 湯煎用の鍋
特別な道具は必要ありませんので、家にあるもので十分に作れます♪
オレンジピールのコンフィ作り
まず、オレンジをよく洗い、皮を縦に8等分にカットします。
スプーンで白い部分(ワタ)を軽く取り除きますが、完全に取る必要はありません。
下茹での手順
- 鍋にたっぷりの水とオレンジピールを入れ、沸騰させてから5分茹でる
- お湯を捨てて、新しい水で再度5分茹でる
- これを2回繰り返すことで、余分な苦味が抜ける
茹でたピールの水気を切り、新しい鍋に水200mlとグラニュー糖200gを入れて火にかけます。
砂糖が溶けたらピールを加え、弱火で40分から1時間煮詰めましょう。
水分が少なくなり、ピールが透明になってきたら完成です! クッキングシートの上に並べて、半日から1日かけてしっかり乾燥させます。
透明感のある美しい仕上げのコツ
透明感のあるオレンジピールを作るには、じっくり時間をかけて煮ることが重要です。
強火で煮ると焦げやすく、濁った仕上がりになってしまいます...
弱火でゆっくりと煮ることで、シロップがピールに染み込み、宝石のような透明感が生まれます。
煮ている間は時々鍋を揺すって、ピールが均等に煮えるようにしましょう。
乾燥の工程も大切です。
表面がサラッとするまで十分に乾燥させることで、チョコレートがきれいにコーティングできます。
チョコレートコーティングの手順
チョコレートを細かく刻み、ボウルに入れて湯煎で溶かします。
湯の温度は50度から60度程度が適温です。
チョコレートが完全に溶けたら、湯煎から外して40度くらいまで冷まします。
オレンジピールの半分をチョコレートに浸し、余分なチョコレートを落とします。
クッキングシートの上に並べて、冷蔵庫で10分ほど冷やし固めれば完成です♪ 両面をコーティングしたい場合は、片面が固まってから反対側を浸します。
テンパリングなしで作る簡単バージョン
テンパリングが難しいと感じる方は、製菓用のコーティングチョコレートを使う方法があります。
コーティングチョコレートは溶かすだけで使えるため、初心者でも失敗しません!
また、普通のチョコレートを使う場合も、完全にテンパリングしなくても美味しく作れます。
ツヤは少し落ちますが、冷蔵庫で保存すれば十分に楽しめるでしょう。
仕上がりの見た目よりも味を優先するなら、テンパリングなしでも問題ありません。
まずは気軽に作ってみることをおすすめします。
【時短レシピ】市販のオレンジピールで30分で完成!
市販オレンジピールの選び方
時間がない方や手軽に作りたい方には、市販のオレンジピールがおすすめです。
製菓材料店やオンラインショップで、砂糖漬けのオレンジピールが購入できます。
選ぶポイントは、柔らかさと水分量です。
あまり乾燥しすぎていないものを選ぶと、仕上がりがしっとりします。
また、カット済みのものを選べば、そのまま使えて便利でしょう。
ホールタイプの場合は、好みの大きさにカットして使います。
30分で完成する時短手順
市販のオレンジピールを使えば、わずか30分でオランジェットが完成します!
- オレンジピールをキッチンペーパーで軽く拭き、余分な水分を取る
- チョコレートを湯煎で溶かす
- ピールを半分浸してコーティングする
- クッキングシートに並べて冷蔵庫で15分冷やす
工程がシンプルなので、急な来客やプレゼント用にも対応できます♪
電子レンジを活用した下準備
チョコレートを溶かす際、電子レンジを使えばさらに時短になります。
耐熱ボウルにチョコレートを入れ、600Wで30秒ずつ加熱します。
10秒ごとに取り出して混ぜることで、焦げずに滑らかに溶けます。
湯煎の準備が不要なため、洗い物も減らせるでしょう。
ただし、加熱しすぎると分離するため、様子を見ながら慎重に行ってください。
オランジェット作りでよくある失敗と解決策
オレンジピールが硬くなってしまう...
オレンジピールが硬くなる原因は、煮詰めすぎか乾燥のしすぎです。
煮詰める際は、シロップが完全になくなる前に火を止めることがポイントです。
また、乾燥時間が長すぎるとカチカチになってしまいます。
表面が乾いたら、長時間放置せずにチョコレートでコーティングしましょう。
もし硬くなってしまった場合は、軽く水で湿らせてから再度シロップで煮ると柔らかくなります。
チョコレートがうまくコーティングできない
チョコレートがうまく付かない原因は、ピールの水分が多すぎることです。
コーティング前に、キッチンペーパーでしっかり水分を拭き取りましょう。
また、チョコレートの温度が低すぎると固まりやすく、高すぎると垂れてしまいます。
40度前後の温度を保つことで、きれいにコーティングできます!
チョコレートが固まりそうになったら、再度軽く湯煎にかけて調整してください。
苦味が強すぎる・甘すぎる場合の調整
苦味が強い場合は、下茹での回数を増やすか、茹で時間を長くします。
3回茹でることで、かなり苦味を抑えられるでしょう。
逆に甘すぎる場合は、砂糖の量を減らすか、煮る時間を短くします。
ミルクチョコレートではなくビターチョコレートを使うことでも調整できます。
好みの味に近づけるには、何度か作って自分なりの配合を見つけることが大切です♪
オランジェットのアレンジレシピ
レモンで作るシトロネット
オランジェットのレモン版が「シトロネット」です。
作り方は基本的に同じですが、レモンの方が酸味が強いため、砂糖を少し多めにすると良いでしょう。
レモンの爽やかな香りとチョコレートの組み合わせは、よりすっきりとした味わいになります。
ホワイトチョコレートとの相性が特に良いので、ぜひ試してみてください!
他の柑橘での応用
グレープフルーツを使えば、ほろ苦さが際立つ大人の味わいになります。
皮が厚いため、下処理に時間がかかりますが、独特の風味が楽しめるでしょう。
国産のみかんで作ると、優しい甘みと親しみやすい味わいになります。
小ぶりなサイズで作れるため、一口サイズのオランジェットとしても人気です。
柚子やすだちなど、和の柑橘を使ったアレンジも面白いでしょう♪
スパイスを加えたアレンジ
オレンジピールを煮る際に、シナモンスティックを1本加えると、香り高い仕上がりになります。
カルダモンやクローブを少量加えれば、エキゾチックな風味が楽しめるでしょう。
スパイスは入れすぎると主張が強くなるため、控えめに使うことがポイントです。
チョコレートをコーティングする際に、チリパウダーを少量混ぜるのも刺激的な味わいです!
ナッツやドライフルーツとの組み合わせ
チョコレートをコーティングする際に、刻んだアーモンドやピスタチオをトッピングすると食感が豊かになります。
ナッツの香ばしさが、オレンジとチョコレートの味わいに深みを加えるでしょう。
また、オレンジピールと一緒にレーズンやクランベリーを煮込む方法もあります。
複数のドライフルーツを組み合わせることで、より複雑な味わいが生まれます。
オランジェットの保存方法と日持ち
最適な保存方法
オランジェットは湿気に弱いため、密閉できる容器での保存が基本です。
ガラス瓶やプラスチック製の密閉容器に、乾燥剤を入れて保存しましょう。
直射日光を避け、涼しい場所に置くことが大切です。
夏場は冷蔵庫での保存をおすすめします。
容器に入れる際は、オランジェット同士が重ならないように並べると、チョコレートが崩れにくくなります。
冷蔵・冷凍保存のポイント
冷蔵保存する場合は、密閉容器に入れて野菜室で保管すると良いでしょう。
温度変化が少ない場所の方が、チョコレートの表面が白くなる「ブルーム現象」を防げます。
冷凍保存も可能で、1か月程度保存できます。
食べる際は、冷蔵庫で自然解凍してから常温に戻すと、結露を防げるでしょう。
ただし、冷凍するとチョコレートの風味が少し落ちるため、できれば早めに食べることをおすすめします。
湿気を防ぐコツ
梅雨時期など湿度が高い季節は、特に注意が必要です。
保存容器に食品用の乾燥剤を多めに入れることで、湿気から守れます。
また、ワックスペーパーやグラシン紙で個包装すると、オランジェット同士がくっつくのを防げます。
個包装は見た目も可愛らしく、プレゼントにも最適でしょう♪
開封後は早めに食べきることが、美味しく楽しむコツです。
美味しく食べられる期間の目安
手作りオランジェットの賞味期限は、保存状態にもよりますが常温で1週間程度です。
冷蔵庫で保存すれば、2週間から3週間は美味しく食べられるでしょう。
ただし、オレンジピールの水分量によって日持ちは変わります。
しっかり乾燥させたものほど、長期保存が可能です。
市販品と違い保存料を使っていないため、なるべく早めに食べることをおすすめします。
作りたての方が風味も良く、最も美味しい状態で楽しめます!
オランジェットをより楽しむペアリング
紅茶との相性
オランジェットには、アールグレイやダージリンなどの香り高い紅茶がよく合います。
柑橘系の香りを持つアールグレイは、特に相性が抜群でしょう♪
ストレートで飲むことで、オランジェットの繊細な味わいを引き立てます。
午後のティータイムに、ゆっくりと味わうのがおすすめです。
ハーブティーであれば、カモミールやペパーミントもさっぱりとして美味しく楽しめます。
コーヒーとのマリアージュ
深煎りのコーヒーは、オランジェットのビターチョコレートと相性が良好です。
苦味と酸味のバランスが取れたコーヒーを選ぶと、味わいが引き立ちます。
エスプレッソと合わせれば、イタリアンスタイルの贅沢なひとときになるでしょう。
浅煎りのフルーティーなコーヒーも、オレンジの爽やかさとマッチします!
カフェオレなど、ミルクを加えたコーヒーとも好相性です。
ワインやシャンパンとの組み合わせ
オランジェットは、スパークリングワインやシャンパンとのペアリングも楽しめます。
泡の爽やかさが、オレンジの風味を引き立ててくれるでしょう。
オレンジワインやロゼワインも、色合いと味わいの両方でマッチします。
デザートワインであれば、より濃厚な組み合わせが楽しめます。
大人のパーティーや特別な日のデザートとして、ワインと合わせてみてください♪
チーズと合わせる大人の楽しみ方
意外な組み合わせですが、チーズとオランジェットは相性が良好です! クリームチーズやマスカルポーネなど、クセの少ないチーズがおすすめです。
ブルーチーズと合わせれば、塩味と甘みのコントラストが楽しめます。
ワインと一緒にチーズプレートの一品として添えると、おしゃれな演出になるでしょう。
フルーツやナッツと一緒に盛り付ければ、華やかなデザートプレートの完成です。
オランジェットをギフトにするラッピングアイデア
バレンタイン向けのラッピング
バレンタインには、透明な袋にオランジェットを入れて、赤やピンクのリボンで結ぶのがおすすめです。
透明な袋を使うことで、オランジェットの美しい見た目が際立ちます♪
小さな箱に入れて、メッセージカードを添えるのも素敵でしょう。
手作りならではの温かみを演出できます。
個包装にして、複数個をまとめてラッピングするのも喜ばれます。
ホワイトデーのお返しとして
ホワイトデーのお返しには、白やパステルカラーのラッピングが上品です。
レースペーパーを敷いた箱に詰めると、高級感が増します!
オレンジの輪切りをドライにしたものを一緒に入れると、ナチュラルで可愛らしい印象になるでしょう。
季節の花を添えれば、特別感が演出できます。
手作り感を出すリボンと包装紙の選び方
ナチュラルな麻ひもやコットンリボンを使うと、手作りの温かみが伝わります。
包装紙は、クラフト紙やワックスペーパーがシンプルで洗練された印象になるでしょう。
レースペーパーやマスキングテープで装飾すると、可愛らしさが増します。
ドライフラワーやスパイスを添えれば、ナチュラルで大人っぽい雰囲気になります♪
手作りのオランジェットをギフトにする場合は、賞味期限を明記することが大切です。
シールやタグに「〇日以内にお召し上がりください」と書いておくと親切でしょう。
オランジェット作りに役立つQ&A
Q. 初めて作る場合の所要時間は?
オレンジピールから手作りする場合、乾燥時間を除いて2時間程度かかります。
乾燥に半日から1日必要なため、前日に準備を始めると良いでしょう。
市販のオレンジピールを使えば、30分程度で完成します! 初めての方は、市販品から始めて慣れてから手作りに挑戦するのがおすすめです。
Q. オレンジピールは自作と市販どちらがおすすめ?
時間と味わいのバランスで判断すると良いでしょう。
自作すれば、砂糖の量や煮る時間を調整でき、自分好みの味に仕上げられます。
市販品は手軽で失敗が少なく、初心者にはおすすめです。
まずは市販品で作ってみて、慣れてから自作に挑戦してみてください♪
Q. テンパリングは必須ですか?
テンパリングは必須ではありません。
ツヤのある仕上がりにしたい場合や、常温で保存したい場合はテンパリングをおすすめします。
冷蔵庫で保存するのであれば、テンパリングなしでも十分に美味しく作れます。
初心者の方は、まずテンパリングなしで作ってみると良いでしょう。
Q. カロリーや糖質が気になる場合の工夫は?
カロリーを抑えたい場合は、砂糖の量を減らして煮る時間を短くします。
また、カカオ分の高いビターチョコレートを使うことで、甘さを控えめにできるでしょう。
糖質が気になる方は、低糖質のチョコレートを使う方法もあります。
オレンジピールを薄くカットすることで、1本あたりのカロリーを抑えられます!
Q. 柑橘の苦味を抑える方法は?
苦味を抑えるには、下茹での回数を増やすことが最も効果的です。
3回から4回茹でることで、かなり苦味が軽減されます。
また、白い部分(ワタ)を丁寧に取り除くことでも、苦味を減らせるでしょう。
砂糖の量を増やすことでも、苦味をマスキングできます。
みかんやポンカンなど、苦味の少ない品種を選ぶのも一つの方法です♪
まとめ
オランジェットは、オレンジの爽やかさとチョコレートの甘みが調和した、大人のための特別なスイーツです。
基本のレシピをマスターすれば、自宅でも本格的な味わいを楽しめます!
市販のオレンジピールを使えば時短で作れますし、一から手作りすれば自分好みの味に調整できます。
失敗を恐れず、まずは気軽に作ってみることをおすすめします♪
レモンやグレープフルーツなど、他の柑橘でアレンジするのも楽しいでしょう。
紅茶やコーヒー、ワインとのペアリングを楽しんだり、大切な人へのギフトにしたりと、オランジェットの楽しみ方は無限大です。
手作りならではの温かみと、自分だけの特別な味わいを、ぜひ体験してみてください。
この記事を参考に、素敵なオランジェット作りに挑戦していただければ幸いです!